マインドフルネス・森田療法的アプローチ」
~序章~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「神経症(不安症)の根源には
潜在意識に強烈に抑圧された、
生存本能(存在欲)があります」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それが普段・日常の
「表層意識レベル」に顔を出した状態が
うつ・神経症などの、いわゆる心の病。

~第1章(理論編)~
もう少し分かりやすく説明しましょう。
たとえば、
神経症(不安症)の諸症状。
↓
====================
人前で異常な緊張・赤面・震え。
外出時、異常なほどの鍵かけ確認。
過呼吸発作(パニック症)。
何かをする前に過剰な不安に駆り立たれる。
などなど・・・がありますね。
====================
森田療法やマインドフルネスを使った
仏式カウンセリングでは、
これらの源泉は「存在欲」ととらえます。
(森田療法では「生の欲望」といいます)
例えば、上記の例ですと、
私という個体を守りたいから
緊張し身構え、
私の財産を守りたいから
異常なほど鍵かけ確認、ガスの元栓確認。
私の存在を過剰に維持したいから、
過剰な呼吸(過呼吸発作)
私の存在が危険にさらされたくないから、
過剰な不安。
これら「存在欲(生の欲望)」が
潜在意識・深層心理の中で暴走しています。
↓
存在欲が強いと
「わたし(我)への過剰な執着」が生じます。
↓
これを森田療法では「我執」といいます。
(神経症は→我執の病理)
この存在欲・わたしへの執着。
・・これは
「では存在欲を消して死んでください」と
言っているわけではありません。
何でもモノは加減で、
存在欲(我執)が異常なレベルになると
病気になるということです。
加減の問題。
森田療法やマインドフルネス仏式瞑想
(仏式カウンセリング)は、
この加減を
「いい湯加減」に調整していきます。
社会生活に支障がないレベルに
加減調整していくということです。
たとえば、仏式カウンセリングでは
「空(くう)」のとらえ方を
学習→ そしてそれを、マインドフルネス仏式瞑想を使い
身体(潜在意識)に染みこませていきます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Q、
よくお墓参りなどで、お経(般若心経)で、
「色即是空 空即是色」など耳にしますが、
「空(くう)」って何なのですか?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
A、
はい。たとえば
「コップに入った一杯の水」
これを「あなた」だとします。
このコップの水を、海に注ぎます。
コップの水は無くなったのですか?
いいえ。一見無くなったかのように見えますが、
一杯の水は、大海に注がれ、全体に広がり、
ある時は波になり、ある時は潮の流れになり、
ある時は蒸発して雲になり、
「あなた(一杯の水)」は、
無くなったと言えば無くなったし、あると言えばあります。
私達人間は
およそ40~60兆の細胞の集合体。
細胞は原子・分子の集合体。
原子や分子は「素粒子」の集合体。
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そう。消えては現れる
粒子であり、さざ波。
それが科学の最小単位
「素粒子」
*仏教心理学では素粒子の事を
「カラーパ」といいます。
--------------------------------------------
「私達は素粒子のあぶくの集合体」
この地球も厳密に言いますと
「素粒子」のエネルギーの集合体。
素粒子の大海原の中の、
小波のようなものが私達人間。
コップの一杯の水が、
地球という大海原に注がれたようなもの。
「わたし」はあると言えばあるし、
無いと言えば無い。
これが空(くう)や、無我の一つのとらえ方。
色即是空 空即是色
色(形あるもの・わたし)は空であり、
空の中のわたし・物体(色)
~第2章~
*こういったとらえ方を
日常生活に浸透させていきます。
↓
それにより「我執」が
社会生活に支障のないレベルに緩まっていく。
「観見二眼」
~観の目つよく、見の目よわく~
・・・ですが、私達は悟りを開いた
聖者や仙人ではありません。
「空」・・・とは言っても、私達は俗人。
日常の雑事に困惑し、振り回されます。
=================
ゆえに「空」の大きな視点(観の目)の
背景の中で、
日常の雑事(見の目)をこなしていく。
(*観の目つよく、見の目よわく)
・・という認識でいきます。
=================
*もう少し詳しく「観見二眼とは?」:宮本武蔵「五輪書」より
↓
http://shinriryouhou.blog2.fc2.com/blog-entry-1269.html
私達は僧侶ではないので、
そんな感じで会社・学校・主婦業など
社会生活を送っていきます。
日々のマインドフルネス仏式瞑想や、
森田療法の学習により、
空(くう)の学習を頭の理屈ではなく、
身体に、日常に、人生に染みこませていきますと、
「わたし」に対する執着が
緩やかになっていきます。
病的な我執(わたしへのとらわれ)が、
よい加減に緩んでいく
↓
存在欲(過剰な生存本能・生の欲望)が
社会生活に支障がないレベルに緩み
↓
もう守るべき「わたし」が緩いから
↓
緊張も不安も・・
神経症の諸症状が消滅していきます。
「わたし(我執)」という
手かせ足かせ、重荷が外れますので、
人生・毎日が、軽やかになり、
「生き辛さ」も緩和され、
安穏で朗らか。幸福になっていきます。
世界中のどんな薬(抗うつ薬・抗不安薬)でも
根治しなかった心の病が、完全に消滅していきます。
今回のお話。
あまりに思想・哲学的で、
ピンとこない現代人には
存在欲・生の欲望を
↓
「原始脳」の過剰な働き。
と、とらえますと
科学的かと思います。
大脳辺縁系をはじめとする、脳の古い部分
それは、私達が進化の過程で
爬虫類・ケダモノだった頃のなごりの部分。
そこの脳部位の暴走
・・・と、とらえると、
現代人は納得がいくのではないでしょうか?
実際、うつや神経症の方々の脳内では、
扁桃体などに、異常な血流・
電気的信号の偏り(暴走)が確認できます。
では空のとらえ方は?
↓
かなり抽象度の上がった視点。物事を俯瞰する力は
前頭前野の仕事。
前頭前野は高次脳。人間の最も進化した脳部位。
物事を冷静に俯瞰してとらえる理性脳。
仏教哲学を学習することで、
前頭前野(高次脳・理性脳)を鍛え、
脳の古い部分(大脳古皮質など)を
上手に制御し、バランスをとっていく。
マインドフルネスなど心理療法で、
うつ・神経症が治った人の脳内では、
原始脳の暴走が治まり、理想的な脳バランスを
確認することができると言われております。
仏式瞑想により、
仏教哲学的な生き方・生活をしていきますと、
やがて脳の病気も治っていくという事。
つまり、
↓
古代仏教哲学と脳科学が矛盾なく、
「完全にリンク」していきます。
こうとらえますと、
仏教哲学って「科学的」でしょう?
心理療法は、心の病に対し、
薬物療法の理論とは
全く違うアプローチをしていきます。
ただ単に脳の病気が
解消していくだけでなく・・
こころの問題も解消していき、
人生が幸福になっていくというオマケつき。
??
これは順番が逆かもしれませんね。。
こころの問題・生き辛さが解消し
人生が幸福になっていくことで、
↓
「オマケで」脳の病気(うつ病・神経症)が治っていく
・・・と、とらえた方が仏教的です。
===============
人生幸福な人に
うつ病患者はいないでしょう?
===============
うつ病・神経症は
脳の病気以前に→「こころの病」です。
こころが病だと、副次的に
脳も病気になっていきます。
現代精神医学とは真逆のアプローチ。
現代精神医学は、脳の病気を薬で何とかしようとして、
心の病を治していこうと試みます。
仏教心理学は
こころの病を解消することにより、
副次的に脳の病気が治っていきます。
どちらが良くて、どちらが悪いではなく、
薬物療法と心理療法。
お互いの良いところ・メリットを生かした方法論が
よいかと思います。
「まとめ」
・神経症の源泉は、
強烈な生存本能(存在欲・生の欲望)があります。
↓
それによる我執の病理
(わたしへの過剰なとらわれ)
↓
そして、それによる日常生活への支障
(神経症の諸症状) 「生き辛さ」
~~~~~~~~~~~~~~~
*うつの場合は少し角度が違い、
↓
(深層心理の中で)
「我」が満たされないから、
↓
自暴自棄・自己破壊的になり、
↓
無気力になります。
~~~~~~~~~~~~~~~
ですが現代では、うつと神経症の「混合型」が
多いのではないかと思います。
(抑うつ神経症・非定型うつ病など)
・存在欲・生の欲望
↓
あえて、脳科学的に言うならば、
原始脳(大脳旧・古皮質などの古い部分)の暴走。
・仏教哲学的な生き方・考え方を
取り入れた生活をしていく。(空の思想など)
↓
理性脳=前頭前野を鍛える事になります。
↓
それにより、原始脳と高次脳(前頭前野)の
バランスがとれてきます。
・それをアタマのリクツではなく、
実際日々の仏式瞑想により
身体に潜在意識に染みこませていく。
(ただし長年の心の問題を治していくには、
努力が要ります)
これらにより、世界中のどんな薬物療法、
心理療法、カウンセリングでも治らなかった心の病が
完全、かつ根本的に
治っていく事もあります。
心療内科等の薬物療法を数年続けて、
「何の進展も無い場合」は、
心理療法(マインドフルネス・森田療法など)を
取り入れてみます。
道は開けていくと思います。
それでは今回はこの辺で。
心の病に苦しむ人々が、
苦しみから解放されていきますように。
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