マインドフルネス・森田療法を使った、「元うつ病患者カウンセラーによる」新しいタイプのカウンセリング(コーチング)
金曜日にテレビで、ジブリの
もものけ姫」がやっていましたね。

(この、もののけ姫という作品は
哲学系の心の病の方は、おススメかと思います)

今日はこの作品について
心理カウンセラー・仏式瞑想者の視点から
個人的な感想を書いていきます。


もののけ姫で、印象に残ったのは
物語の中盤で、主人公アシタカが
眠れず高台でたたずんでいる時、

モロ(山犬神)が
「辛いか?そこから飛び降りれば簡単にケリがつくぞ」
と語りかけるシーンですね。

*アシタカは呪いの病で、
死んでいくという苦しみの定めを持っている。


うつ病経験者で、
自殺念慮・希死念慮がある人なら
ここは突き刺さるシーンではないでしょうか?

例えば、うつ病も重度になりますと、
幻聴を起こす人もいます。
(統合失調症だけでなく、うつ病も
幻聴を訴える人もまれにいます)


しかし、マインドフルネス瞑想者は、

「辛いか?そこから飛び降りれば簡単にケリがつくぞ」
という魔(マーラ)の声、幻聴が聞こえてきても

*(マーラ:仏典で出てくる悪魔。
それは自身の妄想を、擬人化した例えかと思います)

瞑想者は微笑んで答える。


死への渇望(それは楽への渇愛の裏返し)に対し、

「私には死への渇望、
またこの世は全き素晴らしい世界だという錯覚
そして、それに対する歪んだ渇愛、

死んだら全て人生リセットされ
楽になるという渇愛も・・・」

全て、去ってしまったのだ。
「そなたは打ち負かされたのだ、破滅をもたらすものよ」


そして自殺念慮は、脳内の
ただの過ぎ去る現象だと
俯瞰しています。


脳の視点で言いますと、仏教瞑想者は

1、「死にたいは、もっとよりよく生きたいの裏返し」
という仏教心理学的カラクリをよく知っていますから、
自身の心も客観的に、よく分析できています。

☆ちなみに、米良さんの歌(もののけ姫の主題歌)で
~ 悲しみと怒りに潜む「”まことの心”」を知るは・・・ ~
の部分はここかと思います。


2、冷静に分析出来ているということは
「前頭前野」の働きです。

3、前頭前野が働いているという事は、
原始脳(感情に巻き込まれた自殺念慮)も
よく管理できている状態です。

4、したがって自殺念慮に巻き込まれる事無く
それは去っていきます。
ただの移ろい過ぎ去っていく脳内現象。。



古代の仏教経典(サンユッタニカーヤ)で
こんなお話があります。


お釈迦様が瞑想中
魔(マーラ)が様々な「魅力的な女性、食べ物、金銀財宝、
過去起こしてしまった過ち、後悔、未来の不安・・・」

などを出し、お釈迦様の心を妨害しようとしました。

降魔

しかし、お釈迦様は微笑んで

「心地よく感じる形、音声、香、味、触れるもの、妄想・・・
それらに対する私の欲望(執着)は去ってしまった。
そなたは打ち負かされたのだ。破滅をもたらすものよ・・」


*ここで言います「魔」は、おとぎ話の悪魔ではなく
私達の心から浮かんでくる「妄想」を擬人化した「たとえ」かと思います。


そして妄想への「執着」を断たれました。



さて、話を
もののけ姫に戻しますと、
映画のエンディングで、アシタカが

「シシ神様(森の神様)は、いのちそのものだから。
生と死と二つとも持っている」と言います。


般若心経では「色即是空 空即是色」という
言葉があります。

形あるもの、形なきもの
生と死、陰と陽、

どちらに「良い悪い」とレッテルを貼って
執着せず、全て「いのち」そのもの。
「空(くう:在りて在るもの)」です。
それは流れであり、プロセス。全体である。


我(が)を中心にした、
おかしな浅知恵
を手放しますと、

地球を構成する細胞の一つに
なりきる事が出来るようになります。

自殺念慮がどうでもよくなっていきます。

ただ自然のままに、
ひょうひょうと生きていく事が出来るようになります。




最後に、これもエンディングのところですが
人間嫌いのサン(もののけ姫)が
最後の最後になっても、
「でも人間を許すことができない・・」と言う。

*ちなみにサンは、人間社会に対し
幼少期の、ものすごいトラウマがある。
(小さい頃、捨てられ山犬に育てられた)


アシタカが、
「それでもいい。サンは森で暮らそう。共に生きよう」


ここのシーンも
考えさせられるものがありますね。
非常に森田療法的ですね。

うつ・神経症者は特に
「人間嫌い」の方が多いかと思います。


そしてさらに
自分の人間嫌いのところが許せず
悶々とします。

その葛藤が積もりますと、
様々な症状を出す人もいます。


しかし、いいんです。
無理に「嘘くさい善人」にならなくても。


「人間嫌いでしたら、それを排除せず受容し、
その身そのままで生きていくと、
その人らしさをフルに発揮した
素晴らしい人生が送れるようになります」


逆に言いますと、
その自身の人間嫌いをも受容した姿
本当のあるがままの「善人」です。

そこの部分を真に受容しきっていないのに
善人のように振るまっている人を
「偽善者」(偽りの善人)という。

森田療法・マインドフルネスは
人間嫌いのまま、幸せになれます。



なにをかくそう・・私自身も基本、
人間嫌いですので。
うつ病・神経症がひどかった患者時代は
これが苦でしょうがなかった。

でもマインドフルネス瞑想者の今、
それはそのままに・・・それが苦ではありません。
毎日幸せに生きております。


ジブリの各作品は
哲学的メッセージが込められていて
とても素晴らしいものですね。

大人が観ても、
子供が観ても、
それぞれの角度で楽しめますね。

私はトトロが大好きですよ。

皆様は
どの作品がお好きでしょうか?


今日は私の好きなジブリ作品、
もののけ姫について、

心理カウンセラー&仏式瞑想者の視点で
語ってみました。

*ちなみに映画アバターのキャメロン監督も
この、もののけ姫に影響されて、アバターを作ったとか・・・



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【2014/07/06 09:05】 | ジブリ作品(映画)の感想
トラックバック(0) |
先日、友人と「思い出のマーニー」(ジブリ作品)を
観に行きました。

夕方のよい時間帯で満席かと思いきや・・

なんと映画館は、私と友人の二人きり。
貸し切り状態でした。
(田舎の映画館だったからかもしれませんが)


トトロや魔女の宅急便などと違い
少しテーマが難しく、
お客さんが引いているのでしょうか・・・?


ただ、今回の作品は
私は職業柄非常に興味があります。

心理的問題を抱えた少女の
心理描写がテーマだからです。


杏奈の心の中の葛藤を、
マーニーという理想の対話相手を
「脳の中で」作り出し、

それとの触れ合いの中で
自分を取り戻していきます。

こういったメンタルの事に
関心のある方は、この映画オススメです。


私はこの作品非常に満足です。

心理描写がすごいと思います。
たぶんDVD出たら買います。


今日はこの
思い出のマーニーで、

印象に残ったところをかいつまんで、
「心の病や脳のお話に絡めて」
感想を書いていきます。

*私の個人的な視点と
感想ですのであしからず。



まず冒頭でアンナの


「わたしは・・・・
・・・・・わたしが嫌い・・」


のナレーションが
とてもインパクトがありました。


杏奈のように、
潜在意識に感情を押し込めがちの方は
意識、無意識2

日常で、何かがトリガーになり、
どん!と意識レベルに
出てしまうタイプなんですね。
意識、無意識3


例えば、学校のクラスメイトに
言ってはいけない事(太っちょブ〇)を言ってしまって
ドン引きされるシーンがありましたね。

ああいった心理パターンの人は、
心の病になりやすい人かと思います。



最後の方で、
サイロ(古びた塔)で杏奈を置いて

彼氏と帰ってしまったマーニーに、
抗議しにいくシーン。

(もちろんこれも杏奈の
脳内妄想の世界ですが)


杏奈 「マーニー・・・ひどいよ・・・・」
「どうして私を置いて行ってしまったの!?
どうして私を裏切ったの!?」

(マーニーが窓から)
「アンナお願い。許してくれるって言って!」
「もうここを去らなければならないの、
私のこと許して!」

杏奈  「もちろんよ!許してあげる!あなたが好きよ!」
マーニー  「私も大好きよ!杏奈!」

(たしかこんな感じだったと思う・・)
ここは名シーンですね。


*詳しくは映画館でどうぞ。




マーニーを許す杏奈。
そこでゲシュタルト(一段上がった心の統合)が完成する。

その瞬間、
波に飲み込まれそのシーンが消える。

「脳内の未処理な情報群が、
完全に処理・統合された瞬間」かと思います。

杏奈は仮想の世界を使って、自分を他人を
心から許せた瞬間
かもしれませんね。

(何度も言いますが、これらは全て
アンナの脳内妄想の世界です)


その後、鬱っぽかった杏奈が
表情がイキイキして、心の病が治っていく。



これは余談ですが、

私の仕事で昔、このアニメの
杏奈ちゃんに似た子を
担当したことがあります。

この方は、
解離性同一性障害(多重人格)のクライエントさん。
(自分の中に複数の人格がいて、ときに入れ替わる)

主人格と、入れ替わる交代人格(副人格)の
対話(カウンセリング・心理療法)の中で

主人格と交代人格が統合されていく過程に
似ている
と感じました。

(妄想やストレスが過度になり、
もう一つの人格を作り出してしまったケース)

今回のアニメの主人公の症例は、
また少し違ったタイプですが。



さらに最後のところで、実はマーニーは
「〇〇」だったと知る。

(ネタバレになりますので、伏せておきます。
ここも詳しくは映画館でどうぞ)


ああ。なるほど・・と思いました。


(映画を観た人を想定して)
脳で解釈しますと、

実は幼少の頃に、
そのマーニーの話(情報)を
〇〇から聞かされていて、

長期記憶内(潜在意識)に入っていたが、
海馬領域(意識レベル:記憶中枢)に引っ張り出せなかった。
(この理由は以下☆のところで述べる)
意識、無意識


その長期記憶内の情報が、
明確には引っ張り出せないが、

妄想という形になって
杏奈の脳内体験(疑似体験)として
出ていたんですね。

妄想(マーニー)との
触れ合いの中(仮想体験)で

一生懸命、脳内情報の処理をしていた。


ですが、最後にきちんと
海馬領域(意識レベル)に

その事実の記憶が
引っ張り出せるようになった。


☆海馬というものは、
日々過度のストレスを感じたりしますと
ストレスホルモンの影響で、
神経が委縮し機能を低下させます。

こういった「何か思い出せない・・」ような
記憶障害のようなものが出たりします。

(うつ病の方が頭がボーっとしたり、
物忘れがひどくなるのも、このパターンです)



しかし、ストレスが緩和され
海馬機能が直っていきますと

記憶が自在に取り出せるようになり、
今回の杏奈のような事が
起きる事もありえます。


心理療法の世界では、
こういった無意識領域のものを

意識化できるように
お手伝いしていきます。

「無意識の意識化」といいます。




最後にまとめますと、
この作品の主なポイントは

杏奈は処理できない脳内情報群を
マーニーという女の子(脳内で作ったストーリー)を使って、

上手に情報処理し、心の問題を解決した
よいパターンかと思います。


ただ、この例は
妄想・空想しがちな子供の時は、
(脳の発達段階の中で)これでよいかと思いますが、

大人でこれをやってしまうと、
統合失調症など、重篤な精神の病を疑われます。



杏奈ちゃんのケースは、
子供でも少しやばいケースですが。

実際、日常生活に支障が出て、
身体現象にも「抑圧したもの」
出てきてしまっています。
(謎のぜんそく発作)
意識、無意識3

(心理的なものが、身体の症状となって現れる。
心理の世界では「心身症」といいます)


この物語は、それで療養のため、

田舎のおじさん、おばさんのところに
あずけられたお話です。



私はこのジブリ作品、非常によかったですが、
ちょっと大人の内容かな・・・と思いました。

あまりにも心理描写が
繊細すぎて「痛かった」です。


ポニョや、トトロを期待する
チビッ子諸君は、
楽しめないのではないかと思います。


ちなみに隣で観ていた私の友人は
「さっぱり意味が分からなかった・・」と
言っていました(笑)

たぶん分からない人は、
このマーニーの世界観は、
さっぱり分からないと思います。


ただ、このくらいの子を持つ
パパ、ママ世代は

何か得るものがあるかと思いますので、
非常にオススメです。


それでは・・長くなってしまいそうですので
この辺にしておきます。


*今日の心理学的な評論は
私の個人的な感想ですのであしからず。




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【2014/08/12 14:09】 | ジブリ作品(映画)の感想
トラックバック(0) |

今更ながら思い出のマーニーを見ました。
とある学生
こんにちは。
地上波で思い出のマーニーが放送されていたので見てみました。私も心理学を専攻しているので、非常にこの記事に共感できてどうしてもコメントせずにはいられませんでした。
マーニー、すごく良い映画でしたね。心理描写も細かくなされていて、葛藤などが景色や風景描写、色使いなどを素晴らしかったです。

私はこの映画を見て、アルプスの少女ハイジを思い出しました。ハイジも確かヒステリーで夢遊が見られましたね。マーニーでは、バラバラだった人格が徐々に統合されていって、今まで灰色だった湿地に色がつくところなんかはさすがジブリだなと思いました。

3年前ぐらいの記事ですが、今更コメントしてすみません。ありがとうございました。

Re: とある学生さんへ
ショウセイ
お返事遅れました。コメントありがとうございます。


> 地上波で思い出のマーニーが放送されていたので見てみました。私も心理学を専攻しているので、非常にこの記事に共感できてどうしてもコメントせずにはいられませんでした。
> マーニー、すごく良い映画でしたね。心理描写も細かくなされていて、葛藤などが景色や風景描写、色使いなどを素晴らしかったです。


心理学を専攻されているんですね。

仰る通りで、心理描写が素晴らしいと思います。
私には「痛い」くらいでした。

この作品は、一般の人達にはウケが悪いですが、
心理学がお好きな方にとっては最高の作品かと思います。


> 私はこの映画を見て、アルプスの少女ハイジを思い出しました。
>ハイジも確かヒステリーで夢遊が見られましたね。


そうですね。ハイジにそんなシーンがありましたね。
ハイジは感情を抑圧していたんでしょうね。かわいそうでした。

また、クララの足の「本当の問題」を、オンジおじいさんが見抜き、
導いたシーンは、まさに「心理療法」です。オンジ、お見事。

今夕方、ハイジの再放送がやっていますね。
(こちらは東海地区ですが、この地域だけでしょうか?)


>マーニーでは、バラバラだった人格が徐々に統合されていって、
>今まで灰色だった湿地に色がつくところなんかはさすがジブリだなと思いました。


仰る通りです。素晴らしいです。
心理療法で、長年の心の病が治っていくプロセスですね。


> 3年前ぐらいの記事ですが、今更コメントしてすみません。
>ありがとうございました。


いえいえ。素敵なコメントありがとうございました。
素敵な心理士さんになってくださいね。

またいらしてください(^^)


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